アイマスSS回顧録その7

面白ければ良いんだ。面白ければ、無駄遣いではない。
子どもの砂遊びと同じだよ。面白くなかったら、誰が研究なんてするもんか。
――森博嗣冷たい密室と博士たち犀川創平

 面白くなければ小説なんて、物語なんて書かないんですよね。砂遊びみたいなものです。
 さてSS回顧録第7回、最終回と相成りました。ここまでが2015年10月までの活動となります。11月に投稿した作品については、別途まとめて記事を作っていきます。
 過去リンクを貼ってそれではスタート。

 アイマスSS回顧録その1 - もろもろのざっかん

 アイマスSS回顧録その2 - もろもろのざっかん

 アイマスSS回顧録その3 - もろもろのざっかん

 アイマスSS回顧録その4 - もろもろのざっかん

 アイマスSS回顧録その5 - もろもろのざっかん

 アイマスSS回顧録その6 - もろもろのざっかん

 

誰でもない朝

「誰でもない朝」/「サイトロ」の小説 [pixiv]

 二階堂さんの朝にまつわるお話です。
 少々野暮ったい話をすると、セレブという仮面を付けてアイドルを続ける彼女が、朝だけは「誰でもない」という意味で、タイトルは付けました。行動だけ見たら、起きてコーヒー飲んでるだけです。
 彼女の引退を望んでいるという話ではなく、彼女自身が常に自分のことで悩みながらも朝を終えて仕事をしているという、現状の物語です。

 

図書室の暴走特急『アイ・ロボット』

「図書室の暴走特急『アイ・ロボット』」/「サイトロ」の小説 [pixiv]
 詳しい説明はキャプションに。『アイ・ロボット』を知らない方でも読める作りになっていますし、それを読んだ後もう一度楽しめる作品になっています。『アイ・ロボット』、短編集なので是非。
 以下、百合子張りの独り語り。『百合の名前』読者への裏話。
 プロットを『春風よ、今はまだ』と一緒に作っていて、若し『春風~』が頓挫した時用の代案でした。結局『春風~』が七月末のプロット提出を前に一稿を上げたので、アンソロジーの宣伝用にと取っておくことにした話です。
 この時期にSS書きすぎて締め切りに気付かなかった話等ありますが、蛇足なので割愛。愛を以って蛇を殺す。

 

ココロに居るから

「ココロに居るから」/「サイトロ」の小説 [pixiv]

 島原エレナの誕生日を記念して書きました。
 プロデューサーがアイドルに力を貰う、というお話。その、アイドルマスターにとって不変で普遍なメッセージを、彼女を通して描けたことが、すごく嬉しいです。特にラストの一言は、書いたというよりも、彼女が書かせてくれたのだと思っています。
 余談ですがシュラスコは食べたことないです。

 

 ここからはSS掲示板に投稿したお話になります。二〇一四年の七月から一年で九作ですね。

P「世界ネガティブアイドル選手権」

P「世界ネガティブアイドル選手権」 - SS速報VIP VIPService

 過去作にこう言うのも何ですが、何だネガティブアイドル選手権って。これで目を惹くと思ったのか。ともあれ、書ききるからすごいなぁと関心はします。
 ネガティブアイドル、森久保乃々を中心にする筈がヘレンさんが全部持って行ってますね。各人の特徴で話を運んでるとは思います。向かう方向が変なんですけどね。
 SS掲示場に投稿したのは初めてで、モバP表記を知らなかったり、途中でレスが入る等知らないことが多く、勉強になった一作でした。
 あとがき書いた後は不毛な議論してるのでスルー推奨です。これを見るなら暖炉の火を見ていた方が心が安らぐ。

北沢志保「波動拳が出ません」

【アイドルマスター ミリオンライブ!SS】北沢志保「波動拳が出ません」 - SS速報VIP VIPService

 アメトーーク! で、「ストリートファイターⅡ芸人」をやってたんです。その翌日、自転車に乗りながら考えました。
「志保の家って昔のゲームありそう……なら志保が波動拳コマンド出来ないって話が書けるのでは!?」
 北沢志保のプロデューサーさんはどう思いますか。僕は案外出来ないと思うんですよ。根拠はないです。
 一番頑張ったのは、ストⅡ起動した時のOP音。何度も聞いて表現を直しました。

ミリP「静香にプロデュースする」志保「は?」

ミリP「静香にプロデュースする」志保「は?」 - SS速報VIP VIPService

 知り合いPと愉快にうどんを食べに行った帰り、「もがみんのプロポーズって……」と、あの台詞を放ったのが話の骨子です。
 正しいタイトルは『ミリP「静香にプロポーズする」志保「は?」』です。目が節穴だったんだと思います。
 最上静香のSSと思いきや、北沢志保との漫談SS。あのこっ恥ずかしいプロポーズの台詞を、志保が考えたかと思うとニヤつきますね。
 余談。というか自意識過剰な話。
 ミリラジってあるじゃないですか。あれのコーナー、ミリラジ劇場で星梨花ちゃんが「私は静香さんのそばがいいです!」って言って笑いを取る話があったんですよ。で、その時のコメントに「こういうSS読んだことある」ってのが一つあったんですよ。
 ぎょえー! ですよ。
 この後、そば=蕎麦=側というネタはもう一回使い回していてるので、どちらがそのSSかは分かりませんし、そもそも違うかもしれませんが、まぁしかし驚いたというお話でした。

 

伊吹翼「アホ毛連盟?」

伊吹翼「アホ毛連盟?」 - SS速報VIP VIPService

 コナン・ドイル作の『赤毛連盟』を読んだのです。シャーロック・ホームズが出てくるやつですね。面白かったので、アイマスでやったらどうなるかと思ったんです。何でしょうね、「アイマスでやったらどうなる」って思想。二次創作の自由さに胡座をかいてますね。
 乙女ストーム! の面々が出ているにもかかわらず、探偵役が七尾百合子ではなく伊吹翼な所は何だか面白いです。
 『赤毛連盟』は青空文庫で読めるので是非。

アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 赤毛連盟 THE RED-HEADED LEAGUE

 

日野茜「沈黙のアイドル選手権?」

日野茜「沈黙のアイドル選手権?」 - SS速報VIP VIPService

 書けたからまだいいんですけど、何だよ沈黙のアイドル選手権って。文字で沈黙を表す難しさをもっと考えやがれと、過去の俺へと口調強めに言いたいです。まぁ今こそある程度客観視するんですが、上げた当初は「なんで受けないんだ?」と思っています。そしてその教訓が活きたことは殆ど無いです。
 前の選手権と同じくヘレンさんを登場させましたが、彼女を中心に嵐が起きています。同じく続投した森久保は明らかに目から光が消えてます。正直すまんかった。後、楓さんを自由に書けたのは楽しかったです。

 

店員「注文は?」最上静香「ええと……」

店員「注文は?」最上静香「ええと……」 - SS速報VIP VIPService

 SS掲示板に上げた作品の中でも、一番いい出来だと自負しています。
 最上静香が、アイドルの階段を登り切って、ゆっくりと降りる時の一幕です。これを地の文込みで書くとすると、結構食事の描写が大変そうだと思ったり。
 最上静香の一つのゴールとして描きました。是非。
 以下少々あとがき。
 幸せと不幸せは常に人に降りかかるもので、最上静香はあの時幸せでありながら不幸せで、プロデューサーは不幸せでありながら幸せだったのだろうと思います。最後に重ねた言葉は、二人が言えなかった願いでした。ホント、幸せになるって大変だと思う次第です。

 

佐久間まゆ「……やっぱり、苦い」

佐久間まゆ「……やっぱり、苦い」 - SS速報VIP VIPService

 タイトルと同じく、苦々しい経験をした物語でした。
 自分自身一度きりしか見てないのですが、これ、リンク先の掲示板やSSまとめでのコメントが、結構燃えてました。小火位ですけど。他作品は投稿してから結構サイトを見て回りますが、これに関してはほぼ見てないです。
 反省点としては、「佐久間まゆの語り口で進行すると思しきタイトルに対して、男のプロデューサー二人が延々と会話をするという、読者の予想を裏切る形にしてしまったこと」です。僕自身は、期待して騙すという理由で付けたのではなく、登場するアイドルは明確にしたいという意図で付けたのですが、うまく行かなかったですね。
 只、話として、佐久間まゆというアイドルに畏怖を抱くプロデューサーを描けたことは、良かったと思います。

 

豊川風花「今夜は、眠れそうにないんです」

豊川風花「今夜は、眠れそうにないんです」 - SS速報VIP VIPService

 豊川風花さんのガシャ画像を見た後に書き上げたSSですね。あんな可愛いものを見たら話の一つも書きたくなるというものです。ですよね?
 風花さんの日常会話ってそれだけで癒やしがあると思います。プロデューサーの前だと喜怒哀楽彩りのある会話を見せてくれました。この、夜の会話というのは頻繁に使うシチュエーションですね。そろそろ朝の方にも挑戦してみるべきか……。
 

ミリP「静香の時間を、俺にください」

ミリP「静香の時間を、俺にください」 - SS速報VIP VIPService

 SS掲示板で最上静香の話って書きたくなるんですよね。誕生日を記念して書きました。
 トップアイドルというゴールのために一日でも惜しく思う彼女の時間をくださいと言うのは、覚悟の要ることだと思いますね。
 以下蛇足。
 自分が書いた最上静香にまつわる作品は、全て一つの時系列で繋がっています。彼女にプロデュース(正:プロポーズ)するのも、うどんを食べるのも、そして、結婚式に表れるのも、全て一人の男です。全てが彼女の物語であり、彼の物語であるとも思っています。
 時系列に並べるとこの順番です。
    ミリP「静香にプロデュースする」志保「は?」
    ↓
    ミリP「静香の時間を、俺にください」
    ↓
    店員「注文は?」最上静香「ええと……」
    ↓
    最上静香の結婚式
    ↓
    ミリP「静香にプロデュースする」志保「は?」(ラスト部分)
 

  さて長らく続いてきたこのSS回顧録も今回で最終回となりました。まさか自分の作品だけでブログを書く日が来ようとは。とにかく今年に入ってからの勢力的な活動は自分でも不思議に思うくらいなんですが、しかし書いている作品・目指している作品像は昔からさほど変わっていないように思います。まぁまだ四年しか書いてない身ですから。
 年内は最低四作の誕生日SSを予定していますので、機会ありましたら読んで頂けると幸いです。物書きとして、物語を読んでもらうことに勝る喜びはありません。多分。
 こちらからは以上です。