お盆休み中に読んでおきたいミリオンライブ! 小説16作
さてお盆です。お盆休みです。何かとスマホに 触っているしかない状況が度々あることでしょう。親戚とテレビを見ているしかない時や、長距離の移動中等等。そんな時間のお供に、と思いましてミリオンラ イブ! のSSを14作ご紹介しようと思います。オススメしたい推薦作9本と、自作7本という内訳です。早速ラインナップをどうぞ。
各タイトルがそのまま作品ページへのリンクになっております。読みたいと思ったら即刻クリック。
- un-touchable your.
- 初恋への葬歌
- 暗号解読はおやつの前に
- 砂糖パズル
- 図書室の暴走特急〈廃園の天使〉
- プレアデスの瞳
- 西瓜を割る
- 真壁オンザボード
- いくもも
- 幻のアマミハルカ
- 雨夜の二人、静かなるロマンス
- そばにいたい
- 花嫁は一人で歩くのか?
- 夜空にリンゴ
- 幸せのアイス
- 羽ばたいて、飛び立って
最初はpixivの小説から。尚、以下の【あらすじ】や【登場人物】は自分が書いたもので、作者様のキャプションから引用しておりません。【登場人物】は登場する主要なキャラクタのみを記載しています。
【あらすじ】
最上静香は、真っ赤な顔で相手と向き合っていた。
「さ、最近お疲れみたい、ですから。
わ――たしの胸触って元気出るなら、少し、くらいは……」
精一杯張った胸元に、胸中の思いを込めて。
【登場人物】
最上静香
北沢志保
北上麗花
プロデューサー
【推薦コメント】
Twitterで流行った『大丈夫?おっぱい揉む?』というネタを基にした一作。プロデューサーを思うが余り周りが見えなくなる静香の、慌てふためく様がとても可愛らしいです。彼女を取り巻き、にやにやと笑みを浮かべる面々の一員になりましょう。
2. 初恋への葬歌
【あらすじ】
二十歳。それまでの時間は、最上静香から全てを奪っていった。
二十歳。それまでの時間は、春日未来に輝かしい未来を与えた。
二十歳。それまでの時間は、北沢志保から全てを奪っていった。
二十歳までの時間。初恋が、死に絶えるまでの時間。
【登場人物】
最上静香
春日未来
北沢志保
【推薦コメント】
それぞれが二十歳になり、変わってゆき、全てを手に入れたものは大人の笑みを浮かべ、失ったものは初恋に縋る。全てを失った二人が、互いを弔うための物語。
3. 暗号解読はおやつの前に
【あらすじ】
百合子の足取りは軽やかだった。
その脳裏には、大好きなおはぎ。
冷蔵庫にあるという、おかめのおはぎ。
期待と共に事務所に戻ると、現れるは謎の暗号文。
果たして、おはぎの甘さは七尾百合子の頬を落とすのか。
【登場人物】
七尾百合子
横山奈緒
春日未来
真壁瑞希
【推薦コメント】
七尾百合子の食レポかと思わせながらも、実は彼女を探偵役にしたミステリ。タイトルを見れば自明ですが。暗号のトリックから紐解かれる真相まで、日常のこじんまりとした謎として、見事な一作でした。暗号文としっかりにらめっこしたら解けたかもしれませんが、真相が知りたい余り勢い良く読み進めてしまったのは、いい思い出です。
ミリオンライブ! の二次創作で、かわいく、面白く、それでいてミステリ。読了後の多幸感が最高です。
4. 砂糖パズル
【あらすじ】
煮詰まったミーティングに、紅茶が運ばれる。
甘い香りを運ぶのは、箱崎星梨花。
その味に、彼女の笑顔に、誰もが癒やされる。
しかし、七尾百合子は知っていた。
カップの数は五つ。対して砂糖の数は、四つ。
突如現れた砂糖の謎に、アイドルたちが挑む。
【登場人物】
七尾百合子
箱崎星梨花
周防桃子
望月杏奈
高山紗代子
プロデューサー
【推薦コメント】
暗号のお次はパズル。謎の提示・解明の中でアイドルたちの関係性が上手く紹介されていて、こんな作品にこそ『日常の謎』という言葉が相応しく思います。杏奈と同じ真相を思い浮かべ、そこから凝り固まった頭を解せなかったのが敗因でした。
個人的に、各アイドルが同世代と交わすくだけた口調、雑談をするときのテンションが本当に心地良くて大好きです。プロデューサーの真相に対してそれぞれが口々に言い出すシーンが最高ですね……ああいう関係性をミステリを通して描くとは……。
【あらすじ】
その日、七尾百合子はラジオ局に向かっていた。
仕事への期待は、人だかりを前にかき消える。
騒がしい周囲をよそに、渋谷凛は言う。
「立てこもりだってさ」
【登場人物】
七尾百合子
渋谷凛
【推薦コメント】
『廃園の天使』を語るべく昂ぶる七尾百合子に対して、極低温の渋谷凛の語りがとてもクールで最高です。あらましが紹介され、その更なる魅力が明かされる寸前に幕があっさりと下りる辺り、彼女の(と言うべきか?)いじらしさに弄ばれたように思います。この作品を読んでシリーズ二作を買いました。
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6. プレアデスの瞳
【あらすじ】
もしも、舞台の幕が上がらないとしても。
七尾百合子は本を愛し、
永吉昴は野球を愛した。
もしも、眩い光に照らされないとしても。
夏の日、図書館、窓から見るグラウンド。
文学少女と野球少女は、学校で交差する。
【登場人物】
七尾百合子
永吉昴
【推薦コメント】
もしも、二人が学校で出会ったとしたら……。そんなifの世界で、文学少女が野球少女を見つける所から物語は始まります。『星の王子様』が地の文の中でちらりと光る辺りがまた彼女らしいです。昴の快活さ、そしてキャッチボールではずっと百合子を待っている所がとても素敵だと思います。二人の少女がきらきらとまぶしい一作、この夏に是非。
実はこの後アイドルになるかもしれない、という可能性を残している点も良いですね。
7. 西瓜を割る
【あらすじ】
始まりは、めまいだった。
田中琴葉はふらつきの中、過去を見る。
いつかの海、広い砂浜。割れた西瓜の、赤い色。
【登場人物】
田中琴葉
プロデューサー
【推薦コメント】
田中琴葉の思いが粛々と地の文で語られていて、彼女らしさに満ちた一作です。何かにつれ少し後ろめたさを感じていたり、上手く割り切れない所が特に。西瓜を割るという行為(過去)で彼女の内心が垣間見えるのは驚きでした。
以下同人誌編。
8. 真壁オンザボード
【あらすじ】
真壁瑞希の、真壁瑞希による、真壁瑞希のための思弁/言語SF小説本。
『Check and Reverse』
「望月さん。リバーシをしましょう」
白は黒に、黒は白に変わる中、瑞希はプロデューサーとの会話を思い出す。
『Check but Reversion』
「……将棋を指しましょう」
敵が味方に、味方が敵に切り替わる中、瑞希とプロデューサーは記憶を辿る。
思弁は雄弁に語り、それでいて日々は悠々と続く、そんな時間を綴った小説本。
【登場人物】
真壁瑞希
望月杏奈
プロデューサー
乙女ストームの各メンバ
【推薦コメント】
思弁/言語SFと仰々しい言葉で銘打たれた本作ですが、真壁瑞希のことが好き、真壁瑞希のことをもっと知りたいという気持ちがあれば大丈夫です。それぞれのゲームをフックに気持ちを確かめたり、過去をふり返る様子がとても微笑ましいです。個人的には、プロデューサーとの出会いのシーンが鮮烈で、読み返す度に感動します。
惜しむらくは、投稿時点で本作を通販で購入出来ないことですね……若しも即売会での頒布があった場合には、直ぐにTwitterの方で情報をシェアリングします。
9. いくもも
【あらすじ】
時は流れて、周防桃子は二十三歳になっていた。
嘗て過ごした劇場で、取り壊しの決まった劇場で、
彼女は中谷育と再開する。どちらも、アイドルではなかった。
言えなかった言葉が蘇り、癒えなかった心が温まる、そんな物語。
【登場人物】
周防桃子(23)
中谷育(23)
【推薦コメント】
時計の針が幾らか周り、それ故に、嘗てアイドルだった者は女優になり、ある者はアナウンサーに、ある者は大学に進学する。そんな、変わってしまった彼女たちの日々は蕩々と続いていて、それが嬉しいようで、しかし読んでいて悲しくも感じます。私たちが今目にしている劇場に幕が下りた後の物語。終わっても尚、人生は続くのですね。
こちらは活字版。
最後に拙作を幾つか。
【あらすじ】
「あの、リボン落としましたよ」
俺の台詞は、その一言だけだった。
たった一度の出会い、一時の会話。
幻のアマミハルカは、今も微笑む。
【登場人物】
『俺』
天海春香
【推薦コメント】
どのアイドルにも日常は、学校はあって、その中ですれ違った男なんて星の数ほど居ます。そんな数多という星から一粒を選び出し、彼がアマミハルカを見つめ続ける様を描いた作品となります。偶像が嘗て、実像だった頃。
11. そばにいたい
【あらすじ】
アタシは、琴葉のそばにいてもいいかな。
所恵美の思いをよそに、田中琴葉は課題を解く。
二人の距離は遠く、しかし離れているとも言い難い。
もどかしい気持ちの中、所恵美の細い指が空に伸びる。
【登場人物】
所恵美
田中琴葉
【作者端書】
時に、訳もなく誰かの隣に居たい時はあるし、居ちゃいけないと思ってしまう時もあるものです。そんなことを思う所恵美が、田中琴葉に思いを馳せるお話です。
【あらすじ】
雨夜に、二人の男女が並んで仕事をしていた。
そこに声はなく、代わりに付箋が喋っている。
雨夜のロマンスはヴォリュームが消えるまで。
【登場人物】
プロデューサー
馬場このみ
【作者端書】
声のないロマンスを書いてみたかったのです。言葉のない代わりに、言葉にならない気持ちが際立っているといいのですが。余談ですが事務服姿の馬場このみさんはちょーかわいい。
13. 花嫁は一人で歩くのか?
【あらすじ】
扉を開けると、色に染まった鏡があった。
白と黒。タキシードとドレス。
二人は一緒に歩くが、やがて。
花嫁は一人で歩くのか?
【登場人物】
最上静香
プロデューサー
【作者端書】
最上静香の花嫁姿について、プロデューサーがあれこれ思い悩むお話です。何時かミリオンのカードにてそんな姿を見せてほしいと願いつつ、今彼女が純白を纏うならばどんな物語になるだろうと想像して書きました。タイトルのパロディが最高に決まっているので非常にお気に入りのお話です。
14. 夜空にリンゴ
【あらすじ】
それは、織姫との約束。
七夕に交わした、約束。
『いっぱい、いーっぱい! ぎゅーってしてくれませんか?』
夜空にリンゴが浮かぶとき、約束は、果たされる。
【登場人物】
北上麗花
プロデューサー
【作者端書】
何時か、麗花さんと交わした約束を果たすならば。その一心で二人が屋上に立つ様を描きました。リンゴというモチーフが出てきて(麗花さんが出してきた、とも言う)困惑したのですが、いい形で嵌ってくれたと思います。リンゴの甘さ漂う一作です。
15. 幸せのアイス
【あらすじ】
太陽の日差しを浴びて、エレナは溶けてしまっていた。
そんなことを思う私の方が、溶けてしまっているのかもしれない。
じりじりと照り付ける日差しを受けながら、私たちは道を歩いていく。
やがて巡り合った影の中、私たちはアイスを手にする。冷たさの中に、幸せ。
【登場人物】
田中琴葉
島原エレナ
【作者端書】
二人がアイスを食べるだけの話ではあるのですが、その中で琴葉がどんなことを思うか、エレナならどうするか。そんな二人らしさ、夏らしい会話が出たと思います。
16. 羽ばたいて、飛び立って
【あらすじ】
夜、ジュリアは音に出会う。
それは、床が擦れる音。
音の先で、少女が踊る。
今、翼が飛び立つ。
【登場人物】
伊吹翼
ジュリア
【作者端書】
ジュリアと翼が談話スペースで仲良くする話だったり、翼の意外な一面にジュリアが驚く話だったりします。二人の違いが出ているといいのですが。
オススメしたい小説は以上になります。
こういった記事を書いて、少しでも小説を読む機会が増えればいいなと思うばかりです。僕自身、誰かに読まれることがモチベーションに繋がっています。どうかお時間ありましたら、一つでも読んで頂けたら。
それでは、こちらからは以上です。