あの日、『月曜日のクリームソーダ』は何を見せてくれたのか

セラヴィ!
夜更かししてみたい、、のよ
ちょっと モノタリナイ、、から
――『月曜日のクリームソーダ』より

 モノタリナイことなんて何一つとしてなかったのだけれど。
 サイトロです。
 


「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」ゲーム内楽曲『月曜日のクリームソーダ』MV

 2019年6月30日(日)に開催された『THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!!』のFa公演千秋楽に参加した直後の文章になります。打ち上げもせずに帰ってきましたが、今はただ満ち足りた思いです。今は日本時刻で夜の十時半です。つい四時間程前に目撃した奇跡について書いていくのですが、言いたいことはただ一つ。
『月曜日のクリームソーダ』を歌ってくれたユニット、『Jelly PoP Beans』に感謝を。
 ロコ役・中村温姫様、舞浜歩役・戸田めぐみ様、永吉昴役・斉藤佑圭様、周防桃子役・渡部恵子様に感謝を。
 バックダンサーの皆様、そして今回、タップダンサーとして参加してくれた皆様に感謝を。
 本曲の演出、衣装、楽曲に携われた皆様に感謝を。
 ただそれだけです。
 今この時この瞬間のこの気持ちがどこから来るのか、『月曜日のクリームソーダ』という楽曲が何を見せてくれたのか、書いていきます。

 

1. イントロ

 前日の公演は観ていなかったけれど、タップダンサーが参加することはTwitterを通じて知っていた。元々、『月曜日のクリームソーダ』という楽曲自体が好きだったので、まぁそれこそソーダにクリームが乗っかるような組み合わせだなと、好印象から期待値をより上げていた。まぁその期待値も、『Jelly PoP Beans』前までの各ユニットが見せてくれたパフォーマンスによってすっかり頭の中から忘れ去られ、いよいよ曲が始まる、という時まで思い出せずにいた。
 だから渡部恵子さんが『スペシャルパフォーマンスです!』と言った時に、おぉこれは楽しそうだ、くらいの気持ちだった。2曲目までが十分に楽しかったで、まぁ最後も良いに決まっている、と。
 そして壇上に現われるタップダンサー。始まるイントロは聞き慣れたものだ。ゲームイベントで何度も聴いたし、気に入ったから先行DL販売だって買っていた。
 そこにタップダンスが加わると、こうも引き込まれるのかと、思う間もなく引き込まれていた。足が音を鳴らす。軽快なリズムを奏でる。分かっているのに、音は止めどなく続くものだから、必死に耳を傾けた。イントロはループし、リズムは変容していく。
 そうか、これがタップダンスというパフォーマンスなのか。
 気付いたぞと、安心しきった所に中村温姫さんの歌声が飛び込んでくる。
 ここで卒倒しそうになった。お気づきかと思うがこの文章はライブ後に『月曜日のクリームソーダ』という単語を五回連続で呟いたおたくによるものである。
 待ってほしい。一度タップダンスの要素を落ち着かせてから始めてほしい。だってすごいものが立て続けに起こると人間はエラーを起こすのだ。そのエラーが俺なのだ。
 ここで何が起こったのか。以下、というかこの文章全体は記憶に依るものであるため、齟齬や間違いを多分に含んでいる可能性が大いに有り得る。ただ言いたいことだけは偽りないです。
 タップダンスは確か四拍四小節をひとかたまりとして披露されていた。それが二~三種類あった気がする。そして『月曜日のクリームソーダ』の歌入りは、アウフタクト――拍の途中から入るのだ。つまり四小節ひとかたまりが続くだろう、と錯覚していた所に正しくメロディが入ってきたら、そりゃ驚く。今やっと気付いた。
 間違っていたらごめんなさい。確認したいので明日映像貰えません?
 ともあれ凄い始まりだったことには違いない。もうこの時点で最高だった。

2. サビ~2番Cメロ

 今日は省略するのだけれど、AメロBメロだってめちゃめちゃ凄かったのである。ただこれを書き続けてしまうと月曜日がやってきてしまうので、今日は割愛。愛を以て。
 サビに入った辺りで口を開けていたと思う。すごい一体感を感じる……って感じだった。演者、バックダンサー、タップダンサー、衣装も役割も異なる三つのグループが、一つになってのダンス。
 不思議な空間だった。アイマスのライブなので、メインはアイドルのはずなのだけれど、誰が主役なのか分からないくらい、全員が一つのステージに均等に収まっていた。あまり言いたくはないのだけれど、現地で観れなかったことが惜しい。絶対楽しかったと思うし、思い出になっただろう。
 不思議さを満足に味わいながらの2番Cメロ。いよいよ感覚がおかしくなってきたな、と思い始める。演者の歌声と同じくらいにダンスに目が行き、ダンスも三種類くらいあるように見える。

 

 我ながら上手く言ったものだと感心している。

3. ラスサビ前~ラスサビ

 楽しい時間はいつだって限られていて、『月曜日のクリームソーダ』という曲は4分23秒しかない。まぁ当日は1時間くらいあったと錯覚している。
 ラスサビ前はタップダンサーの独壇場。私は一体何のライブを観に来たんだと、今日何度目かの疑問が膨らんでいくに連れて、リズムも複雑怪奇と化していく。タップダンスもっと観たいと思ったので今度調べます。
 そこに演者たちが歓声を煽る。するとどうなるか。
 ライブビューイングを通して、『タップダンサーのパフォーマンス』と『演者の煽り』と『観客の声援』の三つが脳に集まり大変なことになる。「一度では分からん!!!!!!」と私は頭の中で叫んでいたので、情報は四つもあった。
 そんなラスサビも無事に終わり、息も絶え絶えになりながらもラストを惜しんでいた私を嘲笑うように、新しい情報がやってくる。
『Jelly PoP Beans』以外のユニットが画面に現われたのだ。今回のビューイングではセンター以外にカメラが回らなかったので堪能したとは言い切れないのだけれど、正直、その事実だけで――全ユニットが『月曜日のクリームソーダ』という曲に揃ったという事実だけで、私はもう、歓喜に打ち震えた。

 天候に恵まれ、無事に終わりますように、くらいの祈りだった。所がどっこい祈りの結果、こんなパフォーマンスを観れるなんて、思いもしなかった。
 一堂に会しているのである。ロックでオルタナティブなユニットも、吸血鬼を巡るミュージカルを演じたユニットも、近未来的クール系美少女ユニットも、皆が皆『セラヴィ!』と両手を掲げている。
 その光景は、この公演、『THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!!』が起こした、最高の奇跡だと思う。
 

4. 『月曜日のクリームソーダ』は何を見せてくれたのか

 これを読んでいる人ならば当然知っているとは思うけれど、『THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!!』という公演は、テレビ番組を模したものである。青葉美咲を司会として、各ユニットが1番組であるかのようにパフォーマンスが披露された。『夜想令嬢』のように劇場公演のように纏めるものもあれば、Pr公演では本当の特撮番組のように仕立て上げられたものもあった。
 その中で『Jelly PoP Beans』は、ノスタルジックなユニットだった。(世代ではないので確かでは無いのだけれど)昭和を思わせるような衣装に、歌謡曲的な懐かしさを覚えるメロディ。古き良き、とまでは言わないけれど、現代の良さとはまた違うものが、ユニット全体に帯びていたと思う。
 そのユニットが披露する楽曲を通じて、たくさんのパフォーマンス、ユニットが集う、ということ。
 テレビ番組、テレビというものが持つ力って、こういうものなんだな、と今思う。
 多種多様なものが一つの四角い枠の中で共存している。たとえばそれは紅白歌合戦のような、若者の好きなバンドと年配者の好きな演歌歌手が同居していることと同じではないだろうか。
 アイドルのステージだから、アイマスのライブだからアイドルだけが主役になるのではなく、タップダンサーも、バックダンサーも、皆それぞれに輝ける瞬間がある。
 そして最後には、皆が一つになって大団円を迎える。
 最後のメロディが流れた瞬間に両手を打った。感謝したかった。『月曜日のクリームソーダ』という奇跡に、ただただ感謝がしたかった。
アイドルマスター』のライブはとうとう、アイドルだけで広がるものではなく、アイドル以外のもの、ゲームにはなかった要素を取り入れて、拡張することが可能になった。Pr公演でも和太鼓グループが加わってくれた時にも近しいことを思ったけれど、今日のパフォーマンスはその更に一歩先の考えに至った。それは『月曜日のクリームソーダ』という楽曲が、『Jelly PoP Beans』というユニットが、よりテレビというものに近しかったからだと考えている。

 

 

 9月の追加公演、どうにか現地で『Jelly PoP Beans』に会えないかと願っている。
 正直、あんなものを見せられて、こんなにも感動したライブの次がどんなものなのか、全然想像がついてない。何でも新しいものを加えれば良いというものでもないし、次もまたタップダンサーとコラボするとも限らない。
 まぁ、いつだって最高の次は予想が出来ない。
アイドルマスターミリオンライブ!』が見せてくれるライブは年ごとに新しく、こちらの想像を超えて進化を続けている。それは演者さん、演出、衣装……何を取ってもそうだと言える。
 今、1番の公演は何だったかと聞かれれば、今日の『月曜日のクリームソーダ』だと答える。だけど一年後は、二年後は、何と言うかなんて分からない。トライスタービジョンが楽曲を披露するかもしれないし、トライスタービジョンが楽曲を披露するかもしれないし、トライスタービジョンが! 楽曲を! 披露!
 調子に乗りました。

 ただ今は、こうして熱量だけの文字を書き連ねられたことにも感謝したいです。
 周防桃子の楽曲のように、夢でもう一度『Jelly PoP Beans』に会えたら、どれだけいいでしょう。まぁいつかは映像として収録されるだろうから、この文章が、その日を待つまでにちゃんと溶けきるクリームであることを、今は願うばかりです。

 夢じゃなかったな。本当によかったな。
 最後にもう一度、『月曜日のクリームソーダ』に関わった全ての方々に感謝を。
 ありがとうございます。お陰様でクリームソーダまで好きになっちゃいました。