1月のコンテンツ(嵐、はいふり、ハイキュー!、KIRINJI、Slay the Spire)

「偶然も故意も、一枚のつづれ織りの裏と表ですよ、お客さま。両方眺めてみて、どちらか片方をより好ましいと思うことはあるかもしれませんが、片方が真実でもう片方が偽りだということはできません」
――テッド・チャン『商人と錬金術師の門』

 偶然も奇跡も、一枚のつづれ織りなのでしょうか。どうもサイトロです。
 2020年の12分の1が終わったそうです。嘘乙。さておき1月は色々なコンテンツを摂取したので、その備忘録でも書こうかなと思い立った次第。2月も続けないと思うので最終回です。
 余談ですがエピグラフは『ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選』に収録の短編。12月に読んだ本ですね。

 

  

ドキュメント『ARASHI’s Diary -Voyage-』

 Netflixで公開されている嵐のドキュメント。
 嵐、言うまでもなくめちゃくちゃに人気があり、めちゃくちゃに活躍をしている。ドキュメント開始5分で天皇式典の映像とツアーの映像と活動休止の話が全部出来る。怖い。映像の質量が重すぎる。解散に至るまでにどんな激論があったのか、断片的ではありながら彼らが語る顔には、テレビで見ていた明るさは伺えない。
 今は第二話まで公開されている。松本潤がツアーの構成をひたすら錬っている。最前線のアイドルがツアーに向けてどんな場所で、どんな会話の中で、何をしているのか。その片鱗だけでも味わえるのは実に有り難い。前半ずっと悩ましげな表情で曲順や演出を錬っていた松本潤が、後半メンバが集まってのレッスンでは笑みを見せるようになる。飯の相談をして笑い合っている。振りを忘れたと苦笑い。
 当たり前の事ではあるのだけれど、嵐だって人間なのである。アイドルだって人間であるというのはここ最近とみに感じることで、先日モーニング娘。'19の握手会に参加した時にも、第一印象は『あ、人間なんだ!』という気持ちだった。遠くステージの向こうでパフォーマンスしている彼ら彼女らにも生活があるんだな、と改めて思えるようになってからは、益々アイドルを好きになることをちゃんとやりたいと思っている。
 リンクを貼りたいがNetflixはその機能がないらしい。調べれば出る。

アニメ『ハイスクール・フリート

 

初航海でピンチ!

初航海でピンチ!

  • 発売日: 2017/08/18
  • メディア: Prime Video
 

  Amazonプライムで配信中。
 1月26日に一気見。放映していた当時ははいふりカメラの存在くらいしか知らなかった。あと「はいふり!」ってタイトルで一話は放送していたような。劇場版の公開によってか周囲で見ている人が多かったので、まぁかわいいアニメなら見てもいいかなと思い何の気無しに再生。気付けば12話まで見終わっていた。
 全体的に駆け足気味だったので、もう少し些細な話を語る余地がほしかったけれども、そう思えるだけ楽しめたとも思う。とにかく毎話毎話新しい敵、新しい課題に対して果敢に挑んでいく展開が心地良かった。ちょうどRPGが思い通りに進んでいくのと一緒。情報量多めの会話で進んでいくし、何より展開が止まらないことが良かった。逆に、今までいけいけどんどんだった主人公が立ち止まることをピークに持っていくのは上手な構成だった。
 物語には常に選択がある。ただ現状を甘受するだけの物語に面白さなどない。何かを悩み、選択する理由を探し、択一しなければならない。選べないこともまた物語。『ハイスクール・フリート』は、その時々で選びうる選択肢の多さが豊富だったように思う。アドベンチャーゲームになりそうな題材だった。

漫画『ハイキュー!』

 1月の、と言うよりはずっと好きなコンテンツである。ここでは連載の話をする。

 

 

 

  ネタバレに配慮した間を作るためのかわいい画像。
 終章に入ってしまった。烏野高校としての三年間はあっけないと思うくらいに終わってしまい、日向対影山という第一話の構造で最大級の決戦が行われている。あと2年くらいこの強者同士の激闘をやってほしいのだけれど、さてどうなることやら。
 考えてみると烏野高校としての三年間が終わったということは、その他の高校の三年間も終わったことになる。あの時に名前の出てこなかった青城や白鳥沢は、きっとどこかに負けてしまったのだろう。その無数のドラマは読み手に委ねられた。『ハイキュー!』で二次創作し放題だな……!
 しかし最近の話における彼らの近況は、二次創作の書き手にしてみると値千金の情報のようで、妄想を打ち砕く銀の弾丸でもあり、なかなか悲喜交々ではないだろうかと思う。

 

楽曲『千年紀末に降る雪は/KIRINJI』

 昨年からKIRINJIを聴くようになった。きっかけはラジオから流れた『エイリアンズ』。結構有名らしい。


キリンジ - エイリアンズ

『エイリアンズ』も入ったアルバム『3』がすこぶる良い。その最後を務める『千年紀末に降る雪は』の話を少しする。

 戸惑いに泣く子供らと嘲笑う大人と
 恋人はサンタクロース 意外と背は低い
 悲しげな善意の使者よ 

 全体を通してサンタクロースと、彼の走る冬の季節が歌われている。

 君が待つのは世界の良い子の手紙
 君の暖炉の火を守る人はいない
 永久凍土の底に愛がある
 玩具と引き替えに何を貰う?

 暖炉の火は守られない。冷たいものと温かいものがこうも同居するか。

 帝都随一のサウンドシステム 響かせて
 摩天楼は夜に香る化粧瓶
 千年紀末の雪!
 嗚呼、東京の空を飛ぶ夢をみたよ

 KIRINJIの曲が染み入るようになって、その歌詞を聞くとミニチュアの舞台のような広がりが想像される。帝都随一のサウンドシステム――夜の闇に隠れて見えないような、大きくて壮大な音響装置が、千年紀末の雪に晒されている。
 ひどく寒い日に気分が悪くなって何かに縋りたい一心で歌詞を諳んじ何とか乗り切った。思い出の中でこそ音楽はよく響く。この曲を聴く度に、あの肌寒さを思い出すのだろう。

 

 さてそんな話をブログに書こうと思っていた矢先に、現体制の解散が報じられた。今のKIRINJIは『3』の頃のデュオユニットではなく、複数人によるバンド体制が敷かれている。それもまた終演を迎え、よりフレキシブルな体制で活動するらしい。
 私が好きになったKIRINJIはとうにいなくて、今好きになりつつあったKIRINJIもまた姿を変えることになったけれど、まぁ時間には変遷が付きもだからと、そこまで悲観もしていない。ただ、素直な気持ちとしては、兄弟ユニットだった頃に出会いたかったとは思う。

 

KIRINJI TOUR 2013~LIVE at NHK HALL~ [Blu-ray]

KIRINJI TOUR 2013~LIVE at NHK HALL~ [Blu-ray]

 

  とりあえずライブBDは買おうと思う。

ゲーム『Slay the Spite』


Slay the Spire [Indie World 2018.12.27]


 これはカードゲームだ。
 プレイヤーは毎ターンの最初に5枚ドローし、エナジーを消費してカードを使う。ターンの終わりに全ての手札を捨て、敵の攻撃を受ける。戦闘が終わればダンジョンの奥地へと進み、色々なイベントを経て、ボスを倒すことを目指す。レリックという装備を集めることで、使えるエナジーが増えたり、使用するカードの枚数に対して効果が出てくる。スタートのデッキは共通だけれど、その後手に入るカードもレリックも異なるから、毎回その場その場で最適なデッキを構築しなければならない。
 初期装備の異なる4人のキャラクターがいて、そのうちの一人、サイレント(暗殺者。カードを組み合わせて戦う)でばかり遊んでいる。楽しいからではなく、全然上手くいかないからである。アイアンクラッド(騎士。カード単体で強い)やディフェクト(ゴーレム。オーブという特殊なシステムで戦う)は1~2回でレベル3のボスまで倒せたのだけれど、サイレントは10回に1回くらいしか成功しない。カードとレリックの組み合わせを吟味しないと、半端なデッキではボスに競り負けてしまう。毎夜毎夜あの選択が悪かったのか、あの時こうすれば良かったと風呂場で悶える日々。それも含めてたまらなく楽しい。
 一応真ボスまでにしようとは思っているけれど、そこに至るまではまだかかりそう。二月はP5S(ペルソナ5の無双ゲーム。終盤30時間ぶっ続けで遊んでクリアした)しか買わない予定なので、まぁなんとかなるだろう。

 

 1月はこの他にもADVゲームに手を出したり、『スターウォーズ』シリーズを見たりしていた。あと香川旅行ね、香川。うどんをたくさん食べてきた。最上静香との旅行の体でした。そうでしたって言ってるでしょ。
 2月は色々インプットしつつ長編に取りかかる予定。プロットが半分くらい固まっている。とあるアイドルの道行きについて書いていくから、なるべく慎重にやりたい。その関係で暫くは小説を投稿することはなさそう。