2月のコンテンツ(#FE、デトロイト、パラサイト、薄桃色、トリオ)

 幸せ 少し いただきます
――映画『パラサイト 半地下の家族』ポスターより

 『パラサイト 半地下の家族』評に寄生って単語使うのダサくないですか!?

 どうもサイトロです。2月に摂取したコンテンツについて書いていきます。3月は書く予定がないので最終回です。

 

ゲーム『幻影異聞録#FE Encore』

 


幻影異聞録♯FE Encore 紹介映像 バトル編

 一ヶ月でクリアしました。

 予てより優れたRPGだと聞いていましたが、それに違わぬ面白さと、多くの人に勧められるカジュアルさを備え合わせた傑作でした。

 アトラスのPRGってペルソナ3と5くらいしか触ってないんですが、とにかく1戦1戦が殺しにかかってくるんですよね。1手の油断で容赦なく死ぬ。それがファイアーエムブレムにおけるユニット同士の戦いと上手くマッチして、面白くなった印象ですね。どちらのゲームも共通して(というか大抵のゲームがそうだけれど)『相手の弱点を突く』ことで戦闘を有利に進められるんですが、相手も同じように弱点を突いてくるので、雑魚敵の攻撃で致命傷なんてザラにあったんですよ。それで1~2時間の苦労を何度水の泡に帰したことか……。それ含めてゲームのような気はしています。

 キャラクタの成長はある程度一本道で、スキルや最終ユニットの選択肢が少しあるくらい。個人的にはもっと多様な選択肢がある方が好きな筈なんだけど、それが出来る世界樹の迷宮は途中で挫折したんですよねー。ふーしぎ。

 ストーリーは……その……アイドル関係のコンテンツに全身突っ込んでる人間なので……その……流石にもうお腹いっぱい、といった具合のよくある、本当によくあるストーリーでした。悪くはない。かといって好きになれる部分も特になかったです。個別のストーリーも数多くて良かったと思います。

 ともあれ楽しかったのは事実なのでヨシ!

 

ゲーム『Detroit: Become Human』


『Detroit: Become Human』 キャラクタートレーラー/コナー篇

 #FEをクリアした後に何の気なしに付けてみたらマジギレしてしまったゲーム。

 元々はとある短編を書く時の参考になるだろうととりあえず購入していたのだけれど、ここまでアドベンチャーゲームが進んでいるとは思いませんでした。

 序盤の話をします。上記動画にも出ているアンドロイドのコナー君が交渉人としてやってくる。家事用のアンドロイドが暴走して、少女を人質に取ったという。それが示された途端に自由になるんですよ! はい今から何してもいいぞ! 好きな部屋にいって好きなこと調べるがいい! ただし時間は一刻と進むからな!!!! といった具合にいきなりゲームへと放り込まれる。分からずのままとにかく状況を調べる。すると場のデータを調べていったら再現3Dが表示される! 時間に沿って動かすことも出来る! すげぇ! 文字で伝わってるのかコレ! ともあれ最初の事件は見事少女を救い、今後にも期待がかかるコナー君だったのだけれど……。

 これを書いてる日にクリア。大体10時間くらいでした。このゲームには三人の主人公がいるのですが、コナー君だけが生き残るような結末に。アンドロイドに生死があれば、の話なのだけれど。

 面白いなーと思ったのは、コナー君がアンドロイド事件の解決のために相棒となったアンダーソン警部と対決するシーン(ゲームの展開によっては、これを遊ばない場合もあるのかな?)。二人は主義の違いから分かたれてしまい、争うことになる。しかし、二人のQTEコマンド(ゲームの映像中にコマンドを入力するやつ)を入れるのはプレイヤー一人しかいないんですよ。どちらを勝たせるかを決めるのは自分自身の決断に委ねられるわけです。それをリアルタイムで考えながら、どのコマンドを入れ、どのコマンドを外さないかと思い悩める。ただ画面に表示されるものを入力するだけで得られる快感とは違う、片方を選び、片方を選べない苦痛が寧ろ気持いい。

 これに限らず、このゲームは沢山の決断を迫るし、その結果多数の分岐が起こります。チャプターの終わり毎に提示される分岐の数がえげつない。一度の周回で見れないものの方が多いです。

 とりあえず件の小説も四月ごろに執筆予定なので、時間を置いてからもう1周する予定。1周目はアンドロイドと人類の共存を目指し、結果それは、少しの間だけ達成されました。今度はアンドロイドが人類に刃向かう感じでいこうと思います。

 遊び方はゲームが決めるのではなく、私が決めるのです。

 

映画『パラサイト 半地下の家族』


第72回カンヌ国際映画祭で最高賞!『パラサイト 半地下の家族』予告編

 普段は貸し切り状態にすらなる我が地元の映画館にそこそこ人が集まっていたくらいの話題作! 観た後は二時間くらい顔が真顔になってしまったくらいの、強烈な一作! 感情を取り戻すためにTwitterに投稿した内容から引用してます。以下ネタバレ注意です。

 

 

 

ラ・ラ・ランド』なんですよね。あのラストは。
 キム一家の長男ギウが、父に宛てた手紙を書く。お金を稼ぎ、あの家を買うという。そして映像では、その姿が実際に描かれ、「家には光が差していますから、あなたはただ階段を上がってきてください」(うろ覚え)と息子の優しい言葉と共に、父親であるギデクが階段を上がってくる。闇から出で、その姿が光に照らされる。
 そしてその全てが、半地下の光景によって塗り潰される。冒頭では差していた光も失せて。そして、どう宛てるのかも分からない手紙は「それまで、お元気で」と締められる。

 本当に『ラ・ラ・ランド』だと思います。あるかもしれなかった幸せが描画され、今に塗り潰される。それがどちらも美しく、現実が違うだけ。最高に切なくも心地良い余韻であるか、胸の奥に何かを植えつけられたような重さであるかの違いです。

『パラサイト 半地下の家族』という邦題もすごく良いですね。半地下と書くことが、映画の見方を強く補助してくれていると思います
 その象徴が中盤、あの息もつかせぬ展開の最中に繰り広げられる情事にありました。ソファで眠ろうとする二人の嬌声の中、テーブルに隠れたキム一家は息を殺して眠りを待っている。場所の違い、高さの違いが正しく半地下。このシーンが観れただけでも大変満足でした。勿論、それで終わらないのがこの映画なのですが。

 これに近しい映画である『万引き家族』も早い内に観たいですね。地元でやっている時に行けば良かった。

 

『薄桃色にこんがらがって』

  シャニマスにおけるイベントテキストの面白さって最早疑う余地無しなのですが、こうしてまた打ちのめされることが出来てすごく嬉しいです。

 どこがすごいかっていう話なんですが、先ずアルストロメリアというユニットが、桑山千雪さん二十三歳と、大崎甘奈・大崎甜花姉妹十七歳二人の組み合わせであること――年の差があることを雑誌一つで表現したことですね。六年の差って小学校と中学校、GBAとDSくらいの差があります。アイドルたちって普段仲が良いから、何でも共有しがち、且つ出来るように思えるんですが、今回のように過去に失われたものは共有しづらいんですよね。そしてそれが復刊するという喜びは、尚の事分かち合えない。

 個人的にはこの雑誌の復刊にまつわるテキストも良かった。推論でしかないけれど、千雪さんが嘗て読んでいた雑誌を復刊するような、懐古的な話ではなかったと思います。大崎甘奈を前面に据えて、新しい雑誌としてリニューアルしようとしている……個人的に思い当たる節があり、その寂しさにも共感出来た気がしています。

 小説の参考になればと思って買っていた女性ファッション誌があったんです。好きだなーと直感したページを切り取って、スケッチブックに貼っていくのを三冊くらいやっていて、最初の頃に切り取ったページってとにかく構図も衣装も凄いんですよ。構図自体が良い、場所のチョイスが良い。だから着ている服がよりよく見えていて、なるほど写真の力強さをひしひし感じながら、毎号どのページを切り取るのか、嬉しい悩みが尽きなかったんです。でも、その感覚がある時から失われて、凄い構図よりもとにかく服服を沢山載せるようになって……最近は、あまり買わないようになりました。私の気のせいかもしれないんですが。

 ともあれ千雪さんの起源の片鱗が明らかになったのも良かったです。あとは四話、四話におけるはづきさんと千雪さんの会話シーン。背景と、効果音。そしてメインの会話。これで場の雰囲気が伝わってくるんですよ。言いづらいことを話すために酒の力を借りる千雪さんと、それに付き合っているはづきさんのくだけた口調。文字の力すげ~~~~~~~~~って思いました。活力になります。嫉妬もするけれど。

 顛末は是非とも読んでほしいのでこの辺で。あぁ、またシャニマスが好きになれた。

 

大橋トリオ『This is music too』

  お、Spotifyのリンクがちゃんと貼れましたね。なんかかっこいいですね。鳴らしてみたら音がめちゃくちゃ大きかったので気を付けてください。

 今月の1枚です。しみじみと聞き入れるアルバムって好きです。あと10曲くらいで終わるのがちょうどいいですね。BUMP OF CHICKENのアルバムは大体長いんですよ。

狂おしく降るこの雨に
悲しみさえ餌に走り
咲かない恋水を蒔いては
咲いている愛は枯れ果てたまま
――大橋トリオ『LOTUS』

  餌に走る悲しみはどんな形をしているのやら。

 

 ADVの方は相変わらずちまちまやっていて、2人目のヒロインが終わりました。そういうゲームをしています。何故Twitterの方で言及しないかは推して知るべし。
 小説はなんと長編を二週間くらいぶっ続けて書いている快挙です。偉い。本当に偉い。出来れば一ヶ月くらいで仕上げたい。ただ何を書いているかを話す時期はまだまだ先のよう。どんな壮大なプロジェクトなんだか。