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2016年七月月報

 回転ドアというメカニズムは、いつだって、自分が二十日鼠とさして違わない存在だと再認識させてくれる。そして、ごく誓い未来への多少の緊張感で、そこを通る者を一つずつラッピングする装置だ。
――森博嗣人形式モナリザ』第4章『さてここで死者たちの空無さを当てにする者』

 先日の旅行で回転ドアを通過しました。どうもサイトロです。
 月報です。今月は若干多いですね。

1. ひなた、いっしょに寝よか!

2. ミリP「静かなる祈り」

3. ステキなことをみつけましょう

4. 幸せのアイス

5. 光の冠、君の顔

6. 羽ばたいて、飛び立って

 

1. ひなた、いっしょに寝よか!

【あらすじ】
 無数の雨が窓を打つ夜、横山奈緒は不意に目を覚ました。
 あくびの口からこぼれた歌は、木下ひなたを呼ぶ。
 どこか不安げなひなたに、奈緒は言い放つ。
「ひなた、いっしょに寝よか!」
【登場人物】
 木下ひなた
 横山奈緒
【作者端書】
 木下ひなたの誕生日を記念して書きました。
 横山奈緒さんをメインに据えるとどうしてもタイトルで遊んでみたくなります。
奈緒のスパッツ』を思い出しつつこのタイトルで勝負してみました。何に勝つかは分かりませんが。
 奈緒さんとひなたは同じ寮に住んでいるという設定について、少し提示が不足していたと反省しています。

2. ミリP「静かなる祈り」

【あらすじ】
 雨の日の礼拝堂にて。
 祈りを捧げる男の姿。
 男の姿を見る女の姿。
 全ては静かなる祈り。
【登場人物】
 最上静香
 天空橋朋花
 プロデューサー
【作者端書】
 一年ぶりの掲示板SSでした。
 ゲッサン最新号を読んで、思い切り歯を食いしばった思いを物語にしておきたかったのです。即座に書ける掲示板形式は久々でしたが、ここでしか出来ない表現も少しは出来て良かったかなと思っております。どうか、静かなる祈りが届いて、彼女の道を照らしますように。

3. ステキなことをみつけましょう

【あらすじ】
 その日、三浦あずさは占いを見ていた。その運勢は最高。
 逆に、プロデューサーは最悪の運勢。
 そんな二人は、仕事終わりに散歩を始める。
 ステキなことに巡り合う、そんな、占いの言葉を信じて。
【登場人物】
 三浦あずさ
 七尾百合子
 プロデューサー
【作者端書】
 三浦あずささんの誕生日を記念して、彼女と占いにまつわる物語を書きました。草案として、友人が嘗て話していた内容をお借りしました。具体的には、百合子とあずささんが占いについて話をして、そこからプロデューサーとの関係を掘り下げていく、という骨子を採用して、自分なりに再構築した形になりました。
 ただ、あずささんの話だったからか、二人きりになった辺りから話が少し転がり始め、果たしてどうなるのかと緊張してました。結果として、散歩の末に『ステキなこと』がふと目の前に現れて、あずささんと一緒に内心とても安堵しました。こういった、プロット通りに話が進まずに新たな結末を見出すことは、嬉しい反面余り良くないとも思っています。見つからなかった時が怖いですね……。

4. 幸せのアイス

【あらすじ】
 太陽の日差しを浴びて、エレナは溶けてしまっていた。
 そんなことを思う私の方が、溶けてしまっているのかもしれない。
 じりじりと照り付ける日差しを受けながら、私たちは道を歩いていく。
 やがて巡り合った影の中、私たちはアイスを手にする。冷たさの中に、幸せ。
【登場人物】
 田中琴葉
 島原エレナ
【作者端書】
 Twitterにて二人がアイスを食べてみる絵を見た折、ふと、話の結末が浮かんだのです。そこに予てから思いついていたこのタイトルがマッチしたことで、これはパパパと書けるなと思い、茹だるような暑い日に書きました。彼女たちのようにアイスを食べてささやかな幸福を噛み締めたいものです。僕はサンデーカップが好きです。
 余談ですが、話の構造が過去作『それは、なつの、どこか』と似ているのは意図的なものです。

5. 光の冠、君の顔

【あらすじ】
 麦わら帽子を渡しに行こうと思った。
 舞浜歩は、海沿いの道を歩いていた。
 やがて夕陽は、帽子を冠へと変える。
 やがて夕陽は、少女を姫へと変える。
【登場人物】
 舞浜歩
 プロデューサー
【作者端書】
 舞浜歩の誕生日を記念して。名前からふと海を歩く話にしたいと思い、海ならばと麦わら帽子が出てきました。それが冠に変身したときは自分で驚きました。実際のヴィジュアルで見ると果たして、と思わなくもないのですが、そこは小説の利点を推していこうと思いきりました。
 舞浜さんの髪色は異国情緒あるかもなぁと改めて思っていたりします。

6. 羽ばたいて、飛び立って

【あらすじ】
 夜、ジュリアは音に出会う。
 それは、床が擦れる音。
 音の先で、少女が踊る。
 今、翼が飛び立つ。
【登場人物】
 伊吹翼
 ジュリア
【作者端書】
 伊吹翼の誕生日を記念して、彼女を見つめるジュリアの物語を書きました。
 翼とジュリアを出すという時点で、ゲッサンの内容(単行本三巻、特に13話)とどう差別化するかという課題がありました。ジュリアから翼への思いがこの話でイメージが固まってしまっていたのです。
 ジュリアが抱いているであろうダンスへの抵抗感(≒アイドルへの抵抗感)をきっかけに、翼と対比させようと思ってからは自由に書けたと思います。翼がジュリアの手を取った件から、まるで翼に手を引かれるような感覚で書いていました。
 本作は構想一日、執筆二日、校正一日と、理想的な日数で理想的な文字数(5000文字程度)で纏めることが出来ました。このペースが現状でのベストです。次の局面では、10,000文字を基本に話が構築出来るようになりたいですね。

 

 七月の月報は以上です。
 八月ですが〆切四本に加えて、十一月に個人誌を出すべく画策することとなりました。詳細はTwitterでぶつぶつ言います。確定事項です。まだ個人的な話に留まっているので、早い所自分が「週末はビールクズです!」などという戯れ言を言えなくなるように〆切で雁字搦めにしていこうと思います。自縄自縛というやつですかね。
 ともあれ頑張ります。こちらからは以上です